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土曜講座12周年記念 森永卓郎氏講演会「中高生に向けての経済学入門」
(2014/4/12開催)

滝学園土曜講座12周年記念:森永卓郎氏講演会「中高生に向けての経済学入門」 4月12日(土)、江南市民文化会館において、土曜講座12周年記念講演会が開催されました。この記念講演会は同窓会のご援助で毎年4月に行っているもので、生徒にとっては貴重な話を聞くことができるとてもよい機会になっています。
 今回の講演会でお招きしたのは、経済アナリストであり、メディアでも幅広く活躍している森永卓郎氏でした。当日は、お忙しい中で、同窓会会長の朱宮新治氏をはじめ十数名の同窓会役員の方々にもご出席いただきました。この場をお借りして厚くお礼申し上げます。
 森永卓郎氏は東京都にお生まれになり、大学は東京大学の経済学部をご卒業されました。現在は獨協大学経済学部教授としてご活躍されています。森永氏のご専門は「労働経済学」と「計量経済学」です。そのほかに、金融、恋愛、オタク系グッズなど、多くの分野で評論を展開されています。また、TBS「がっちりマンデー」や読売テレビ「情報タイブ ミヤネ屋」に出演するなどメディアへの出演も多く、幅広く人気を得ています。
 さて、当日の講演では、森永氏はとてもメリハリの利いた語り口で、聴衆は自然に話に引き込まれていきました。講演に参加した人にとってはとても有意義な講演になったと思われます。以下は、その講演の内容の紹介です。(酒向孝芳先生がまとめた講演メモです。)

■「中高生に向けての経済学入門」の講演記録メモ
1)お金って何?
 原始時代は原始共産制であり、採取したものを皆で分かち合って暮らしていた。その後農耕社会となり、生産手段を考える人とただ働く人が出てきた。その頃から物々交換が始まったが、それを行うのが大変であったために、お金が誕生した。
 お金の役割としては、尺度となること、価値の保存、交換の媒介となることの3つが挙げられる。お金は便利であるが、危険なものである。なぜならば、お金にお金を稼がせることができ、魔力を持つものであるからだ。そしてお金に関して最もやっかいなものが、バブルである。

2)バブル
 一般的にバブルは1630年代のオランダで初めて起こったと言われているが、実はオランダよりも前に織田信長が起こしたと先生は考えている。信長は、永楽銭を用い、領土を奪っていった。そしてその土地が保有する財産を使って報奨金を支払う制度を作った。その後秀吉は行き詰ってしまうのであるが、それは天下統一によって、それ以上奪う土地がなくなってしまったからであり、やむを得ず朝鮮出兵を行ったのである。
 1630年代にオランダで起こったバブルでは、チューリップの一大ブームによって球根の価格が異常に高騰したことで起こった。球根1つあたり現在の価値にして5〜600万円の値段がついたとも、4,000万円ほどの値段がついたとも言われている。そこで投資家らは、買えばお金になるということで球根を買い求め、バブルがはじけたことでオランダ中が破産者だらけになってしまった。今あるオランダののどかなチューリップの風景は、実はバブルの爪あとでもある。
 日本の明治維新後にも、空前のウサギブームから、ウサギの値段が現在の価値にして一匹あたり30万円に跳ね上がったが、政府がウサギ税を導入したことからバブルが崩壊した。 今まで歴史上200回ほどバブルが起きたと言われているが、はじけなかったものはないのである。

3)なぜ格差社会が生まれたのか
 1980年代のプラザ合意により、円の価値が上がり、日本人の平均所得が世界一になったが、日本人は、世界一のお金持ちになっても、世界一幸せだとは感じなかった。その理由は、円高によって、日本人全員が一律に豊かになってしまったからである。人間は自分だけお金持ちになることで幸せに感じるものである。そしてこの考え方が、格差社会を作っているのである。たとえば、ビバリーヒルズの500 坪の家々の中で400 坪の家に住んでいる人よりも、庶民の住む地域の40坪の家々の中で50坪の家に住む人のほうが、幸福度は高い。世の中は、お金の力で周りの人々を従えることを幸福だと考える流れにあるが、それは従える人の優越感と、従えられた人たちの抑圧感のもとに成り立つものなのだ。
 1979年にイギリスで首相に就任したマーガレット・サッチャーは、世界の格差社会化を最も進めた人である。彼女は、それまでの社会保障制度を否定し、社会保障をどんどん削減した。さらに、高所得者層には減税し、低所得者層には増税をする政策を行った。また、金融資本主義を敷き、いろいろなものを民営化していった。
その政策はレーガン大統領、そして日本の小泉元首相に影響を与えた。そして、現在の安倍政権も同じように、高所得者層には減税し、低所得者層に増税をする政策を行っている。

4)どのような仕事を選ぶとよいのか
 大切なのは、その仕事が好きか嫌いかであり、もしも嫌いな仕事であれば、短い時間従事するだけでもつらいが、好きな仕事であれば、どれだけ時間をかけてもつらくない。先生は、経済企画庁に出向していた時期に、経済予測をする機械を使い、バブルがはじけることを予測した。その時に、経済は、ちゃんと取り組むと未来が見えるものであることに気がついた。
 仕事は、楽しい仕事をやった方が、時間が早く過ぎるし、人生を豊かに過ごすことができる。しかし、やりがいがあって、楽しくて、さらに儲かるような都合のよい仕事はないので、セカンドベストをいかに早く見つけるかが大切である。その際の選択肢を広げるために、無駄な勉強はひとつもないので、色々なことに興味を持って、自分のベースを広げ、自分にとって一番いいものを見つけて欲しい。

 概ね、このような内容の講演でした。今年もすばらしいお話、すばらしい時間を参加者のみなさんと共有できたことを嬉しく思います。

※本校の土曜講座では、この記念講演会のほかに、通常の土曜講座を年間6回実施しています。本校の教員だけでなく、同窓生・保護者・外部講師をお招きして多彩な講座を開講できるよう努力しています。今後も、より一層充実した土曜講座にしていく所存ですので、同窓生の皆様方にはこれからも引き続きご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、今年度も、学校で行う土曜講座の講師を募集しておりますので、ご希望の方は下記「職業情報登録」から是非ご連絡ください。
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土曜講座主任 上田欣人