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滝学園創立90周年記念・土曜講座13周年記念
小柴昌俊氏講演会『宇宙、人間、素粒子』(2015/4/11開催)

滝学園創立90周年記念 小柴昌俊氏講演会『宇宙、人間、素粒子』 4月11日(土)、江南市民文化会館において、小柴昌俊氏による講演会(演題『宇宙、人間、素粒子』)が行われました。この記念講演会は滝学園同窓会のご援助をいただき、毎年4 月に開催されておりますが、今年は本学創立90 周年に当たり、ノーベル物理学賞を受賞された小柴昌俊氏をお招きしました。
 小柴昌俊氏は1926年愛知県豊橋市にお生まれになりました。1951年、東京大学物理学科を卒業、1970年東京大学理学部の教授に就任されました。1979年、陽子崩壊の検出を主目的に、岐阜県神岡鉱山に「カミオカンデ」の建設を提案、1983 年に実験開始。1987年2月23日午前7時35分35秒(協定世界時)に大マゼラン星雲内で起きた超新星SN1987Aからのニュートリノの検出に成功。2002年「天体物理学とくに宇宙ニュートリノの検出に対するパイオニア的貢献」により、ノーベル物理学賞を受賞されました。現在、東京大学特別栄誉教授、平成基礎科学財団理事長でいらっしゃいます。
ご高齢にもかかわらず、遠路ご講演においでいただいたことに厚く感謝申し上げます。
(以下は、高橋秀希先生がまとめた講演メモです。)

■小柴昌俊氏『宇宙、人間、素粒子』講演記録メモ
 1964年、東大での最初の講義で黒板に「宇宙」「素粒子」「ニュートリノ」と板書したが、とても大きいもの(=宇宙)と、とても小さいもの(=素粒子)は結局は同じものを扱うことなのである。
 大きいものを調べるためには、望遠鏡を使えば宇宙の奥まで調べられる。ハブルの法則(遠くを走っている天体はその距離と速度は比例している)という大発見で、「ビッグバン」という発想が得られた。
 一方、素粒子を調べるには電子顕微鏡でも不十分であり、従来の道具が使えない。高エネルギーの粒子と反粒子をビーム衝突させて、それを観測することによってビッグバンと同じ状況を作るしか方法がない。
 水中で陽子が陽電子と中性パイ中間子に崩壊すれば、容易に観測できると考え、神岡鉱山の地下1000mに3000 tの水を貯め、水槽の周囲に光電子増倍管(直径12.5cm)を設置した地下実験室を作った。日本の10倍の研究費で10000tの水を利用した米国のIMBと競合するために、世界最大(直径50cm)の光電子増倍管を浜松ホトニクスと協同開発した。その結果、「太陽ニュートリノの天体物理学」「超新星ニュートリノの観測」「ニュートリノ振動の発見」という3つ大きな業績が達成された。
 カミオカンデとスーパーカミオカンデの成果は、「超新星爆発におけるニュートリノの役割」「太陽ニュートリノの天体物理学的観測」「ニュートリノ振動の発見」であるが、神岡には3代目の実験施設「カムランド」が設置され、地球内部からの反電子ニュートリノを観測するという快挙が成し遂げられている。今後は、超新星ニュートリノ観測網としての役割を担い、宇宙背景ニュートリノの観測が期待されている。

※今年、本校ではこの記念講演会のほかに、通常の土曜講座を8回実施いたします。昨年度よりも回数を増やし、内容面でも「教養講座」に重点を置いて、一層充実した土曜講座になるよう努力してまいります。同窓生の皆様にも講座の講師お願いをさせていただくこともあるかと存じます。その節には何卒よろしくお願い申し上げます。

土曜講座主任 佐藤光則