>活躍する卒業生

「人生をどうこうした、あの場所」
 元NHK「ためしてガッテン」専任ディレクター 北折一(S57卒・普)

活躍する卒業生 元NHK「ためしてガッテン」専任ディレクター 北折一 寂しかったですねー、NHKで番組作りの仕事を始めて少し経った頃は。衝撃的なくらいに。だってぼく、滝高時代は演劇部でしたから。みんなで力を出し合うとものすごいことになる、単に何かを「伝える」んじゃなく確実に「伝わる」ものにするためとことん議論しまくる、完成の瞬間は全員の力が高度に結集したまさにその瞬間。その気持ちよさが、お金をもらいながら味わえる。しかも狭い客席ではなく、日本全国に向かって発信できるなんて!! …と思って就職したのに、番組が完成する瞬間って、夜中にクソ狭い編集室で孤独なテロップ入れ作業が終わったときなんだもん。
 でもそれが、「ためしてガッテン」というNHK 史上稀な「高視聴率超長寿番組」を生み出す原点になりました。上記の理想を全部味わうために、毎週のスタジオ収録日はディレクターは元よりスタッフみんなで必ず打ち上げをして喜びあいダメ出しもする・単に放送して終了ではなくお客さんが確実に喜んだことが確認できるよう視聴率に徹底してこだわる・かかってきた電話を我先に取り丁寧に受け答える、その他NHK ができてなかったことを思いつく限り全部やりました。その結果が、ガッテン生活丸18年!うち総合演出の16年間は、すべての放送回のストーリー作りをぼくが担当しました。4〜5年に1回転勤のあるあの会社では、あり得ない楽しさでしたねー。
 残念ながら2年ほど前に会社の方針が変わり外部での講演活動が激しく制限されるようになったので、退職しました。約束したお客さんの所に行くためには、それしか方法がなかったからです。受信料を使って得た情報は番組以外の形でもひろくお客さんに還元して当たり前なのに、エライ人らが「あかん」というから。
 「だから最近のガッテンはイマイチなんだ〜」なんてウワサは置いといて。今の仕事は講演と執筆がメインです。年間で100回くらい、一般市民向けに「ダイエット」のお話や、医師・保健師等に向けて「健康情報の伝え方(プレゼン理論)」の研修。健康づくりはいいですね、学んだ人だけでなく患者さんやその家族も幸せになるんだから。楽しいですよ〜。待っててくれる人の所にだけ出かけて行き、確実に喜んでいただくのを目の当たりにし、地方のうまいもん食べて飲んで観光もできて家族を養えるんだから。
 そんな人生になったのも、演劇部のおかげです。当時の顧問が「来んもん」とあだ名されるくらい徹底した放任主義だったからこそ育ったんだと、マジで思います。あ、ちなみにぼくの人生初の講演はなんと!滝学園の講堂での「中学生に語る会」でした。ガッチガチに緊張してボッロボロのデビュー。その反動も今の仕事につながってるんだから、全部あの講堂で出来上がったような人生ですねえ。
 驚いたことに、たまたま中1でその講演を聴いて人生観が一発で変わり留学も決意できました、と手紙をくれた子がその後NHK に入り、今番組を作ってるんですから(平成17年卒の徳田周子さん)、やっぱ人の人生をドウコウしちゃう講堂、ってことですね。
 永久保存、されるといいな。

※北折 一 Webサイト http://www.kitaori.jp/