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滝学園同窓会オフィシャルサイト

活躍する同窓生に学ぶ:弁理士 上村穂波氏(京セラ株式会社 知的財産部)

活躍する同窓生に学ぶ:弁理士 上村穂波氏(京セラ株式会社 知的財産部)

「今ここを生きる」
~知的財産で社会・事業に貢献する~

京セラ株式会社 知的財産部
弁理士 上村穂波

(旧姓:前田、平成14年卒)

京セラ株式会社
https://www.kyocera.co.jp/

どうして、京セラに入社することになりましたか。
 私は知的財産の側面から社会や事業に貢献したいと考えていました。京セラは高い技術力をベースに幅広い事業で多岐にわたる製品をグローバルに展開しています。このような会社では知的財産の保護・活用を通じて社会や事業に貢献できる可能性が高いと考え、入社を決めました。京セラは「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」を経営理念とし、私達社員が各々の個性や持ち味を活かし、会社への誇りや仕事へのやりがいを感じながら、いきいきと働くことができる環境づくりに積極的に取り組んでいます。そのような環境づくりがあるからこそ、私はフルタイムで勤務しながらも育児・家事と両立し、やりがいをもっていきいきと働くことができていると感じています。

いつ弁理士になろうと思われましたか。
 大学卒業後の進路について考え始めた大学3年生の時です。当時、私の親戚が特許事務所で弁理士として働いていました。弁理士としての仕事の話を聞く中で、知的財産は製品・サービスに付加価値を加える無限の可能性を秘めていると共に、最先端の技術・デザインに触れられることが魅力的であると考え、知的財産の分野で働きたいと思いました。そして、将来のライフイベントとして出産や育児を想定した場合、知的財産に関する専門的な資格である弁理士を取得していた方が柔軟に働ける選択肢が増えると思いました。比較的自由な時間がある大学時代に勉強しておき、早く資格を取得した方が良いと考え、結果として、社会人1年目に弁理士の資格を取得しました。

弁理士って、どんな仕事ですか。
 一言で言えば、知的財産に関する専門家です。皆さんに身近な製品も数多くの知的財産で保護されています。スマートフォンを例にとると、通信方式に関する技術(特許)、外観・画面デザイン(意匠)、製品のネーミング(商標)、音楽・アプリケーションプログラム(著作物)をはじめとした数多くの知的財産が含まれています。このように、知的財産には特許、意匠、商標、著作物など、人間の創造活動により生み出される様々な対象が含まれます。この知的財産という目に見えない無体物をいかに保護し、利用の促進を図ることで社会・事業の発展に貢献していくかを考え、実行することが主な仕事です。知的財産の中で多くの比重を占める特許は技術を保護するものであるため、弁理士は理系の職業と思われがちですが、知的財産権法を熟知している必要があり、法律の専門家という側面もあります。

女性の場合、結婚されると出産・育児がありますが、どのような生活リズムにされていますでしょうか。
 家事・育児、仕事をバランスよく両立していくためには、健康な身体でいることが何より大事であり、睡眠をしっかりとることを心掛けています。そのため、夜は子供と一緒に早く就寝し、睡眠時間を確保しています。また、休日はなるべく子供との時間を大切にしたいと思っているので、朝早く起きることで自分の時間を確保しています。

滝学園時代、どんな生徒でしたか。
 中学・高校時代は良い先生・友達に恵まれて本当に毎日が楽しかったです。私は明るいことが取り柄で、騒いで授業中に怒られたことも多々ありました。水泳部に所属し、夏は毎日泳いでいたのもあり、とにかく色が黒かったです(苦笑)。学校のイベントで特に印象に残っているのは高校3年生のときの文化祭です。クラスの仲間と、部活の仲間と一緒に屋台を出しました。皆で在校生に対して一生懸命呼び込みをかけ、準備した焼きそば、クレープを全て売り切ったことはとても良い思い出です。

大学時代はどうでしたか。
 大学時代は授業・ゼミ・サークル活動・アルバイトに全力投球し、忙しくも充実した日々を過ごしました。私は早稲田大学の法学部出身で独占禁止法のゼミに所属していました。サークルは旅行サークルでいかに安く楽しく旅するかをモットーにサークルの仲間と色々な場所に旅行に行きました。アルバイトは飲食店で初めての接客業に奮闘しました。生活面では、地元である名古屋を離れることになったため、初めての一人暮らしに色々と戸惑うことはありましたが、慣れた後は一人暮らしだからこそ得られる自由で快適な時間を満喫しました。

上村さんの趣味は、何でしょうか。
 体を動かすことが好きで、以前はジムやホットヨガに通っていました。今はコロナ禍の影響で始めたキャンプが趣味です。キャンプでは美しい自然の中で伸び伸びと過ごせるため、自然と家族の会話も増え、生き生きとした子供達の表情を見ることができます。

座右の銘は。
 「今ここを生きる」です。過去の失敗に対する後悔や将来への漠然とした不安を憂慮するのではなく、今この瞬間を思う存分楽しみながら一生懸命生きることを心掛けています。

滝学園の在校生、卒業生に対し、生きてゆくうえでの助言がありましたら。
 私は何事も前向きに考える性格ですが、昔は違いました。以前、弟が重い病気にかかったとき、私がどれだけ心配して落ち込んで涙を流しても病気にかかったという事実は変わらないことに気づきました。そして、病気を治すことは病院の先生にお願いして、私はとにかく前向きに弟と一緒にいる時間をいかに大切に過ごすかを考えることが大事であると考えました(その後、弟の病気は治り、今はとても元気にしています)。皆さんも生きていく中で必ず辛いことや苦しいことに遭遇することはあると思います。ただ、それを辛い、苦しいと感じて悲観するのではなく、自分ができることは何かを考え、前向きに立ち向かい、糧にすることでその後の人生が大きく変わると思います。是非何事に対しても前向きな気持ちで取り組んでください。

[プロフィール]
上村穂波(うえむら ほなみ)
京セラ株式会社 知的財産部 弁理士


1983年9月生
2007年3月 早稲田大学法学部卒業
2007年4月 京セラ株式会社入社、知的財産部に配属
2008年1月 弁理士資格取得

※プロフィールは、取材日(2023年5月25日)時点の内容を記載しています。