2月18日16:00-19:00尾張一宮駅シビックホールにて、「瀧高等学校演劇部OB会創立50周年記念総会」を開催致しました。
演劇部の創設は1949年昭和24年の公演記録が残っており、どうやらその2年前に創部されたようで今年で78年の歴史があるようです。
今回の記念総会には同窓会事務局様の御協力を得て不明者以外の約450名のOB・OGに案内でき、大変感謝しております。
昭和43卒の水谷会長から孫のような平成26年卒?の卒業生約60名と顧問であった堀西先生、高橋先生と演劇部応援団長の藤木様(旧姓間宮さん)のご来賓にもあずかり、楽しく盛大なあっという間の時間を過ごすことができました。
水谷会長の演劇部時代の色々な思い出や今でも空で言えるセリフ、加藤幹事長の、後輩各世代との懐かしい思い出や、鬼の目の涙の出来事も目撃できました。
今回は出席できませんでしたが、滝高校ロケもあり先日全国公開のあった「青春ジャック 止められるかオレたちをⅡ」の映画監督井上淳一君、NHK「ためしてガッテン」立ち上げから20年以上関わった元プロデューサー北折一君らの祝賀メッセージも来ました。
滝高校演劇部の「あの時」があったから、今のわたし達があるんだと参加者みんなが感じたと思います。
後日この総会の反省と今後の展望に付いての幹事会が開催され、Olympic yearでの同窓会継続的開催が決まりました。
演劇部OB会代表幹事
鈴木 多喜人
■滝高校演劇部OB会創立50年を振り返って
滝高校演劇部OB会は、本年創立50年を迎えました。一方で演劇部そのものはどの様な歴史があるのでしょうか。
聞くところによりますと、昭和22、3年頃には活動が有ったそうですから、本年で75年位の歴史が有ると思われます。そうすると、演劇部が創部して、なぜ25年もたってからOB会ができたのでしょうか。
それには、誠に奇跡の様な偶然の出会いと別れのエピソードが有ったのです。
それでは、まずそのうちの1つ目のエピソードから紹介させて頂きます。
それは昭和42年の夏、明日から夏休みに入ろうかという、7月19日朝8時30分、私の父がみまかりました。38歳でした。
あまりにも突然の事で、私は茫然自失、何も手に付かなくなってしまいました。そして夏休みが終わり9月、学校へ行っても勉強が手に付かず、成績はどんどん下がる一方。加えて父が亡くなった事による経済的な理由も有り、私は大学進学を諦めました。
思えば、滝中学1年の時、テレビでイギリスの名優ローレンスオリビエの「ハムレット」の舞台中継を見て感激し、ああ、自分も演劇というものがやってみたい、舞台にも立ちたいという思いが募りまして、中学2年の時に新任の六角先生に顧問をお願いし、仲の良かった2人を誘い、たった3人で滝中学校演劇部を創部して以来5年間、高校を卒業して大学へ進学したら4年間、思いっきり演劇をやってみたいという私の夢は、はかなく敗れ去ってしまいました。
そして、自暴自棄、やけくそになっていた私を救ったのは、ある人の言葉でした。それは、当時高校演劇部の顧問で、私の中学時代からの恩師、安田善彦先生の言葉でした。「なあ水谷、よかったら卒業してからも演劇部に自由に出入りしていいんだぞ!!そして後輩たちの面倒を見てやってくれないか」この言葉で、真っ暗な私の心にパッと明るい光が差し込みました。「そうだ、何も大学に行かなければ演劇ができないわけでは無い。地元で後輩と一緒に芝居作りをするのもステキなことだ」と思えるようになりました。
いよいよ一番重要なエピソードに移って行くのであります。
昭和43年春、4月、私は演劇部の部室におりました。それは、新入部員と初めて面会する会場でした。そこへ、正に彗星の如く現れたのが加藤益弘であります。私は彼を見たとき「ああ、これは百年に一人出るか出ないかと云う、演劇の天才だ」と直感しました。
その直感はすぐに証明されるのであります。彼は高校2年の時は「怒りのぶどう」で、そして3年の時には私と二人で脚色した手塚治虫原作の「ジョーを尋ねた男」という脚本で2年続けて、それまで私が一度も行ったことが無い愛知県大会へ連れて行ってくれました。
ところが、彼が高校を卒業し日本大学芸術学部へ進学しますと、私の力不足から演劇部はまた低迷してしまいました。そして4年経ち、彼が大学を卒業して、又、演劇部の指導をしてくれる様になってから、少しずつ演劇部は前進し始めるのであります。
丁度その頃のある夜、彼が私の家を訪ねて来てこう言いました。「先輩、演劇部にOB会を作りませんか。そして後輩たちの応援をしてやりたいのです。」この言葉に私は、一も二もなく賛成し、以来50年にわたってOB会長を努めさせていただいておるわけでございます。
OB会が出来てからの演劇部は、まさに破竹の勢いで前進を始めるのであります。
愛知県大会は当たり前、中部コンクールも常連となり、全国大会にも度々出場する今では、高校演劇界の名門校に成長いたしました。
そしてOB会も会員500名を数える大組織になりました。その功績としまして、私が著作権の管理を任されて以来、約20年の間だけでも、全国130もの高校から、滝の脚本を上演させてほしいという上演許可願いが届いているのでございます。
これも、ひとえに歴代顧問の先生方のご指導とその年々の後輩の皆さんのたゆまぬご努力の賜と心から敬意を表させていただきますと共に、厚くお礼申し上げます。
結びといたしまして、滝学園の益々のご隆盛と、在校生・OB・OGの皆様方のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
OB会長
水谷 潤一